京都市の洛西 桂坂は、すぐ近くに山があるため動植物が住宅街なのに豊富に現れ、桂坂小学校の校内にある学校ビオトープにもたくさんの小さな生き物が住んでいる、あるいは生えています。
ここで私たちボルボクスは昨年から4年生に「ビオトープに住む生き物」を主題に理科をベースにして芸術などを組み合わせた総合学習を続けています。そして1学期の最初は自然観察をします。
小学生に限らないことですが、外に出て自然観察会をするとき、 「これがタンポポです、タンポポには西洋タンポポと日本タンポポがあって・・・」のように、よく知っている人が他の人に動植物の名前とか特徴を説明して歩くスタイルが定番のひとつです。
これを「解説型」と呼ぶことにして、これとはちょっと違う形式に「気づき型」というスタイルがあります。 気づき型は、自然観察に参加した人が「あ!もしかして・・・」と何かに気がつくきっかけを与えるとか、ヒントを出すような観察会です。 例えば、 森に生える木々を見て「あの森の木々を眺めて気がついたことをどんどん言ってみてください」と始めると、
「道路際の木は背が低くて、森の中の方の木は背が高い」とか、
「木々がだいたい左に傾いて立っている」
などの意見が出てくるとしましょう。 その理由があるはずなので、それを解説できればそれに越したことはありませんが、それを全部答えられるはずもありません。 むしろ分からないことはそのまま、不思議のままで参加者に持ち帰ってもらって、彼らが自分で調べたり仮説をたてたりして疑問を深掘りしすることを促すようにするのが「気づき型」の観察会です。
小学校の総合学習では、子ども達は「ねぇ、これ何ていう魚?」と聞いてくることがすごく多いので、知っている限り名前も教えていますが、それはむしろほどほどにして、
「池に住んでいるから淡水魚でしょ。魚の形を見て近いものをこの図鑑で探してごらん」と子どもに言ったとしたら・・・
「魚の形って、何みればいいの?」みたいに進んでいくでしょう。
そのように解説型と気づき型をミックスさせた動植物観察を総合学習でしていきたいと思います。
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