ビオトープの説明

ビオトープって、何よ?

ビオトープとは「生き物が集まる場所」のことです。

まったく人を立ち入らせないようにして野生生物を守るためのビオトープもありますが、どちらかと言うと、植物や虫や鳥や動物を集めるために人工的な池や草原を作り、そこに生き物が住めるような隠れ家も人が用意してあげる式の「自然に近い生き物居住場所」のことを指していることが多いと思われます。

ビオトープを作る目的はいくつもあります。

たとえば減っていく動植物を守るために、ビオトープを作る目的があります。

ホタルを見られる場所は昔に比べて減っているので、人工的にホタルの幼虫が育つような川を作って守っている場所や、休耕田を再生してかつての里山に住むカブトムシやメダカやカエルなどが住む日本の原風景を守る場合などがそれでしょう。

その他に、子ども達が野山に住む生き物に親しむことを目的にしたビオトープが「学校ビオトープ」として主に小学校にたくさん作られました。ここで子ども達は池でオタマジャクシを捕まえ、ヤゴの羽化を観察し、お米の苗を育てる。こういう授業が1990年ぐらいから流行ってきました。

だけど学校ビオトープは年々減っています。

理由は、ビオトープのめんどうをみるのが結構たいへんだし、めんどうのみ方もよく分からない、しかも校内にそれがあるのがあまり美しく見えないから、こんな感じだろうと思います。

ビオトープは人口的な原っぱなので、放置すると「雑草」で草ぼうぼうになり、それが汚い姿だから、徹底的に草刈してしまうと虫や鳥が激減してしまい、ただの校内の空地になってしまいます。そこがちょっとビオトープ管理の難しいところです。

そうならないようにするには、

草刈は地面がむき出しにならない程度にほどほどにして、

でも校内にあるから保護者の方から「見苦しい」と言われない程度にはみ出している草は刈り、池の水が腐らないように、減らないように、いつも新しい水を継ぎ足して・・・をやらなくてはなりません。

桂坂小学校の「学校ビオトープ」

5月になると、ビオトープには何種類もの植物が育ち、背が高くなってきます。

ほとんどの植物は、植えたものではなく、鳥や風が種を運んでここで芽生えた、いわゆる「雑草」ですが、

雑草と言わずに「野草」と呼び、それぞれの名前や由来、これで何ができるかなど子ども達と探求する材料にします。

勝手に生えた植物に混じっていますが、フジバカマは植えて育てています。これは貴重な植物で、京都に残したいからそうしています。

これはビオトープを整備している最中の写真です。

大きな袋の山は、ここで出たゴミをこれから捨てるように見えるかもしれませんが、そうではなくて、他から集めた枯葉や刈った草をここにわざわざ運んで来て、袋から全部出して地面に置く直前です。

このような枯草や枯葉は小さな虫の隠れ家や餌になり、菌も繁殖して腐葉土ができあがり、生き物が集まって来て種類も数も大きく増えて、植物も増え、生き物が集まる場所「ビオトープ」が出来上がってまいります。

あ、植物も「生き物」のひとつなので、是非それを忘れないように・・・

ひとつ上の写真にある、小山のような物体は、落ち葉をてんこ盛りにしたところですが、それから1年経つとその山はぺっちゃんこになります。枯葉が腐葉土になったのですね。

そうなると、そこにカナブンとかコガネムシとか、うまくいったらカブトムシが卵を産み、幼虫になります。

どうやらカブトムシらしき大きな幼虫も見つかったので、子ども達の学習に使おうかと、でも3クラス分には不足だから、京都の他の森から連れて来たカブトムシの幼虫を、こんな入れ物を作って中で飼っているところです。

学校ビオトープでは、子ども達の学習のためならこのようなこともいたします。