緑道、昼下がり、自然の摂理

桂坂の天蓋公園と山の辺公園を結ぶ緑道は、木々がたくさん植えられて、その下に野草が、これまたいっぱい自生しています。今年の暑い暑いある日の昼下がり、その緑道を歩いていたら、足元近くの藪の中でギーギーとセミの鳴き声が聞こえたので、羽化したセミが枝に引っかかっているのなら助けてあげようかと覗いてみたら・・・

そうではなくて、カマキリがアブラゼミを捕らえた直後、セミの断末魔だったことが見てとれました。

こんなとき、咄嗟にセミを助けたくなってしまいます。不運にしてオオカマキリに発見されたアブラゼミは、残酷にも?カマキリに捕まり、まさに今カマキリが口をセミの体に当てている瞬間。絶対絶名のセミ。一週間という親ゼミ一生の残りの日もまだあるだろうに、無念の思いが伝わって来るような瞬間です。

でも、私は思い直して、そのまま放置することに決めました。

なぜなら、オオカマキリはこれから産卵を迎えるメスだと、その体の大きさから察することができますが、おそらく彼女は食べることがどうしても必要だと、そう思ったからです。

カマキリは獲物に飛び掛かって仕留めますが、成功率はそう高そうではありません。けっこう獲物に逃げられています。そう考えると今日の彼女の獲物は、待ちに待った久々の獲物だったかもしれない。それをたまたまセミの視点から入って「かわいそうだ」と思っただけの理由で、簡単にその獲物を引きはがして良いものなのか?

ダメでしょ。

そう考えたから、あるがまま、放置して、写真を撮ることにしました。

今はセミのシーズン8月なので、短い親虫での一生を終えたセミの亡きがらが緑道のあちこちに落ちているから、カマキリはこういうの食べればいいのに、って思ってしまいますが、昆虫はそうはいかないんですね。きっと動くものしか見えないのでしょう。

ボルボクス

2018年4月に本格始動。 京都市西京区桂坂の有志メンバーで 「子どもの自然のふれあい」 「地域交流」 をテーマに活動中。

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