タデアイの「こすり染め」実習までの道のり

7月5日木曜日、今月の桂坂小学校4年生への総合学習はプランターで育てたダデアイの葉を使った「こすり染め」実習をしました。ほんとうは「叩き染め」といい、昨年は文字通り叩いて作品を作ったら、あまりにも騒音が酷かったので、今年は擦ることにして「こすり染め」に臨時に改名しました。ダデアイは昨年の4年生がプランターやビオトープの池横の露地に育て12月に収穫した種を、今年の4年生がプランターに撒いたものが発芽して育ったものです。 4月末に発芽したときはこんなでした。 

それから2か月間経ち、葉っぱがたくさん茂ってきましたが・・・ けっこう育ち具合がバラバラでした。 みんな高さ20センチぐらいまで成長したプランターもあるし、みんなひょろひょろで葉っぱも小さい草にしかならなかったプランターもありました。

きっとこの違いは土の栄養に違いがあるだろうと思い、ひょろひょろの草しか育たないプランターに化学肥料を施しましたが、結果は何も変わりませんでした。他に理由があるみたいです。が、今は分かりません。 ちなみに土の種類は、粘土質の山から掘ってきた土、農協が販売している黒い腐葉土、ホームセンターで買ったブレンドした花壇用の土、この3種類があり、さらに昨年別の植物を植えていた土を再利用したプランターもありました。

いったいどの土がどの生育状況になったのか、そこまで記録していなかったのが今にしてみれば残念!、ただ粘土質の土のプタンターは重いからそれと分かるのですが、この土で育てたタダアイはどれもまあまあの生育状態でした。ちなみに昨年は全部のプランターを粘土質の土で育てましたが、どのプランターもだいたい生育状態は一様で、今年みたいなデキのいいもの悪いものの差はあまりありませんでした。

 ほんとうはビオトープがあるから、プランターじゃなくて露地で育てたかったですが・・・ 

露地ではまったく発芽しませんでした。種を撒いたのにただの一本もタデアイが育ちませんでした。どうも他の植物の生い茂る中では発芽や生育はできないようです。 タデアイは水田のように水の豊富な土壌に生育するようなので、今年3月頃にビオトープの池の中にプランターを半分沈めて発芽させてそのまま育てようとしました。 

 しかし、発芽はしたものの、なかなか育たないのですね。その理由は、ときどき大雨でプランターが池に沈没したとき、発芽した苗がだめになったのでした。タデアイは水がタップリないと発芽も生育もできないのですが、水田をイメージしてはいけないようです。あくまでもタップリ水をあげる、を続けなくては育てられません。ということが分かりました。まったく手を焼く植物です。 なので、学校の畑の縁にこのようにプランターに植えたタデアイを並べて、毎日水をやりに学校まで通いました。 

 ある日タデアイの葉が紅葉しているのを見つけました。 

 これがはたして紅葉なのか、病気なのか、枯れてきたのか、分かりません。しかし総合学習の授業で、この赤くなった葉を使ってカラー刷り?の「こすり染め」作品を作った子どもがいたので、まあこれは怪我の光明だったかもしれません。 授業の日はあいにくの雨(この後に未曾有の大雨になりました)の日だったので、このように教室のすぐ外側にタデアイを育てたプランターを置き、ここで葉を摘み取って、用意した専用のハンカチに葉を押し当ててする「擦り染め」を子ども達がしました。

 子ども達はタデアイの葉を二つに折ったハンカチの間に挟み、それをプラスチックの書類ホルダーに入れて、ホルダーの上からガラス瓶の底でゴシゴシ擦る、というやり方を教わって作品を作りました。 

 写真はその準備中の様子です。 

ホワイトボードに貼ってあるのは、この日に指導した先生役の地域の人が作った作品です。 タデアイの葉はこのようにハッキリクッキリと葉の葉脈までをハンカチに転写させることができます。しかも含まれる青色染料成分のインディカンが発色して、洗濯しても落ちにくい青い葉の模様がずっと残ります。 

子ども達は「違う植物もプランターに生えているからタデアイの葉を摘んでね」と言ったのに、わざとクローバーとかウォーターマッシュルームの葉でこすり染めしてました、他の葉でも葉の形は転写できますが、色が薄くて滲んでいてタデアイのようにビシッ!とした葉の形が出ません。でもそうやって子ども達は違いを経験しているのでしょう。 

 ・・・と、 ある子が「このプランターのタデアイの葉がいちばんよくでる」と、優秀な草を発見しました。見ると何の変哲もなく、よく育っているわけでもない、かと言ってひょろひょろでもないふつうの生育状況のタデアイの草でした。でもハンカチに転写すると、青が一段とよく出ているのですね。 

 よく発見してくれました!  

今年はタデアイの育て方について昨年よりよく分かりましたから、来年こそはできればビオトープでうまくタデアイを育ててみたいと思います。  

ボルボクス

2018年4月に本格始動。 京都市西京区桂坂の有志メンバーで 「子どもの自然のふれあい」 「地域交流」 をテーマに活動中。

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